日本応用動物昆虫学会誌
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沖縄県に侵入したモンシロチョウの個体群動態
I. 冬世代および春世代
長田 勝伊藤 嘉昭
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1974 年 18 巻 2 号 p. 65-72

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抄録
近年琉球列島に侵入したモンシロチョウPieris rapae crucivoraの沖繩本島における冬から春にかけての生命表を作製した。
生存曲線の型は,東京付近の春の世代について得られたものと基本的におなじであったが,1齢幼虫期の死亡率はやや高く,いっぽう,微粒子病ウイルスが見られず,アオムシサムライコマユバチがほとんど発生しないこと,およびアオムシコバチが見られないことのため,5齢幼虫・蛹期の死亡率は低かった。全体として世代死亡率は低く,冬から春にかけてのモンシロチョウの増加を良く説明できた。
マーキング法によって成虫の生存および死亡を調査したところ,成虫の平均寿命は2月に1.6日,3月に2.9日であった。
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