日本応用動物昆虫学会誌
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異なる食物条件下におけるキクズキコモリグモの増殖
鈴木 芳人桐谷 圭治
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1974 年 18 巻 4 号 p. 166-170

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抄録
野外より採集したキクズキコモリグモ幼生を16時間照明,30°C恒温室内で飼育し,亜成体期と成体期の食物条件がクモの増殖におよぼす影響を調べた。
1. ツマグロヨコバイ雌成虫を餌に用いた場合,亜成体期に日当り1頭以上捕食した個体は正常に発育した。しかし,0.5頭捕食した個体は発育が遅延し,産卵能力の低下した小形な成体となった。
2. 成体の産卵前期間は日当り捕食数の増加により短縮され,4頭以上で最も短く9日であった。
3. 日当り捕食数に対する日当り卵形成数の回帰からツマグロヨコバイ1頭を捕食する毎にクモは約3卵を形成することが示唆された。
4. ツマグロヨコバイ単独の餌条件にくらべ,複数種の餌を与えたクモの産卵数は著しく増加した。
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