1976 年 20 巻 2 号 p. 51-54
ツマグロヨコバイの摂食習性が,1齢幼虫から成虫にいたる発育段階によって変わるかどうかを,前報と同じ方法によって調査した。その結果,基本的な摂食習性は発育段階や性別によって変わることはなかったが,若干の相違がみられた。
その1つは幼虫1齢期において,大維管束への挿入が特に少ないことであり,これは口針の長さと関連があるように思われる。
幼虫期は一般に師部より木部への挿入が多く,成虫では雌において同様の傾向がみられた。
唾液鞘物質による師部や木部の閉そくは,幼虫の発育段階が進んだものほど多くなる傾向がみられたが,成虫は4, 5齢幼虫と大差なかった。