抄録
伝染性の病気にかかったり,害虫の寄生を受けた植物個体の空間排列(分布)を表現するモデルとして,前報で負の超幾何分布NHGを提案した。この分布のパラメータαは罹病した植物個体の空間的な集中の程度を表わし,βは非罹病個体の集中の程度を表わしている。これらのパラメータを用いて,罹病個体と非罹病個体のパッチ(clump)の大きさを推定する方法を提案した。これらの方法を利用して,水稲黄萎病の水田における進展の状態を解析し,早期栽培,早生栽培,普通栽培の比較を行なった。さらに,罹病個体および非罹病個体の集中の程度を判定する方法を提案し考察した。