1981 年 25 巻 3 号 p. 150-155
1. AliEと殺虫剤抵抗性との関連は有機りん殺虫剤抵抗性において普遍的なものと考えられたが,カーバメート剤抵抗性には何ら関連を認めることができなかった。
2, ツマグロヨコバイのマラチオン抵抗性機構としては,マラチオンを分解するカルボキシルエステラーゼ活性の増大とAChEのマラオクソンに対する感受性の低下の両者が関与するが,系統によってその程度が異なった。
3, フェニトロチオン抵抗性にGSH依存のいわゆるGSH-S-トランスフェラーゼや一部の抵抗性系統ではNADPH依存の薬物酸化酵素の関与が示唆された。一方カーバメート剤抵抗性は,カーバメート剤の代謝が主要因とは考えられなかった。