抄録
第2世代孵化幼虫が出現する時期に種々の生育段階の稲を栽培して,集団の大きさの異なる幼虫をそれぞれの稲に接種して食入させた。大きな稲においては,幼虫集団が大きくなるほど,孵化1日後の生存率は漸次減少したが,小さな稲においては生存率と幼虫集団の大きさとの関係は認められなかった。幼虫の生存率は稲の生育段階によって異なっていた。すなわち,小さな幼虫集団の生存率が稲の生育にともなって減少したのに対し,大きな集団の場合は,穂ばらみ期まで増加した。孵化1日後から5日後までの期間においては幼虫の低死亡率が一般的傾向として確認された。