日本応用動物昆虫学会誌
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Dimethoate土壌施用によるキボシカミキリ成虫に対する殺虫効果とカイコへの影響
江森 京杉山 浩
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1982 年 26 巻 3 号 p. 155-159

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抄録

1. キボシカミキリ成虫に対するジメトエートの経口毒性はLD50値0.88μg/gで,幼虫の220μg/gと比べて250倍も高い毒性を示した。
2. ジメトエート粒剤を土壌施用した桑株にキボシカミキリ成虫を放飼したところ,成虫に対する殺虫効果の持続性は6g区(6kg/10a相当)で7日,12.5g区で20日,25gおよび50g区で40日であった。
3. ジメトエート粒剤を桑株に6g, 12.5g, 25gおよび50gを土壌施用した10日後の桑葉中の残留量はそれぞれ2.0, 1.5, 6.0および7.8ppmであった。30日後では1.5, 1.9, 3.1および4.0ppmであった。
4. ジメトエート粒剤を土壌施用した桑株の桑葉でカイコ幼虫を飼育したところ,施用後10日では蟻蚕は6g区を除いて中毒死した。2齢幼虫は25gおよび50g区で軽い中毒症状を示し,3齢以上の幼虫は50g区で軽い中毒症状を示した。5齢期間の連続給与区の営繭は正常であった。

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