日本応用動物昆虫学会誌
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鹿児島県におけるモモアカアブラムシおよびニセダイコンアブラムシの発生消長
瀬戸口 脩
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1983 年 27 巻 3 号 p. 219-223

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抄録

鹿児島県大隅地方においてはモモアカアブラムシおよびニセダイコンアブラムシは主として胎生の世代をくり返して越冬する。両種の発生消長を明らかにするため,1978年から約3年間黄色水盤への有翅虫の飛び込み数や連続栽培したナタネ,ダイコンほ場での発生量調査を行った。その結果,モモアカアブラムシは4∼6月と11∼2月に発生のピークがあり,春のピークのほうが大きいこと,ニセダイコンアブラムシは4∼5月に小さな発生のピークがみられる年もあるが,10∼2月に発生量が多いことが確かめられた。また,両種とも夏季の低密度期が3・4か月にわたるため,当地方の年間の発生様相を知る上で,とくに越夏の生態について調査する必要があると考えられた。

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