日本応用動物昆虫学会誌
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センノカミキリの配偶行動の解析
阿久津 喜作窪木 幹夫
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1983 年 27 巻 4 号 p. 247-251

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抄録

センノカミキリの交尾行動について解析を行った。その結果,
1) 雄による雌の認知には視覚は必須の役割を果たしていない。
2) 雄による雌の認知は,雌の体表に存在する接触化学感覚性の物質,すなわち接触性フェロモンへの接触によって行われる。
3) 性フェロモンの受容は雄の触角と小あごひげによって行われる。小あごひげは主として触角の補助的役割を果たしていることが示された。
4) 雌の触角の塩酸浸漬,小あごひげの切除を行うと,雌は雄を排除するようになる。これは雌が雄を認知する何らかの信号を遮断された結果と考えられる。
5) 雄は冷凍死雌にも強く反応し,腹曲げ行動をとる。その行動の解発効力は17日間持続し,その間,日を追って低下した。

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