日本応用動物昆虫学会誌
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野外条件下におけるヒメコガネの合成性フェロモンの誘引性
中野 勇樹玉木 佳男杉江 元
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1986 年 30 巻 4 号 p. 254-259

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抄録

ヒメコガネの合成性フェロモンによる野外誘殺試験により,以下の結果を得た。
1) 合成性フェロモンmethyl (Z)-5-tetradecenoateのdispenserへの使用量はプラスチックカプセルを使用した場合は10.0mgで誘殺効力がほぼ上限に達した。この場合,初期の誘殺力は大きいが,短期間で効力が激減する。それに反し,ゴムセプタムのdispenserは合成性フェロモンの使用量30.0mgで誘殺効力は最大であり,またその効力は長期にわたって安定していた。
2) 幾何異性体methyl (E)-5-tetradecenoateは,それ単独では誘引性はなく,またZ体への混入も,誘引性にそれほど影響を与えなかった。
3) フェロモントラップは草地の場合,地上1mの高さで最も誘殺数が多かった。
4) フェロモントラップの誘引性はブラックライトトラップのそれと比較し,ヒメコガネの発生の初期と終期に高く,発生盛期には低かった。
5) 合成性フェロモンを10∼30mg以上含んだプラスチックカプセルおよびゴムセプタムの誘引力は,処女雌のそれを上まわることが示された。

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