日本応用動物昆虫学会誌
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第1世代アワヨトウの発生変動の解析
中国山東省のコムギ栽培地帯の例
楊 徳義平井 一男
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1987 年 31 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

中国山東省菖県における1963年から1982年のアワヨトウの侵入成虫数,第1世代の産下卵塊数と幼虫発生程度の資料の解析ならびに1971年から1978年にわたるコムギ畑での栽培条件と幼虫密度の関係を調べたところ,前半10年の大発生は南方からの侵入成虫数とその産下卵塊数が多い年にみられた。しかし,後半10年の大発生は侵入成虫数と産下卵塊数が少ない年でも,4月の降水量が多い年にみられた。この大発生の一因として,コムギの増収を目的とした密植,多肥,灌水の栽培法が導入され,コムギ畑内の微気象が多湿になり,幼虫の生存率が高まったことが影響していると考えられた。

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