日本応用動物昆虫学会誌
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イナズマヨコバイの生態学的研究
I. 温度と発育,産卵および香川県における世代経過
松本 英治
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1988 年 32 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

1) 卵の発育速度(1/Y)と温度(X)の関係は,1/Y=-0.1037+0.0076X (r=0.982***)であった。発育零点は13.7°C,有効積算温度は127.9±17.5°Cであった。
2) 幼虫の発育速度(1/Y)と温度(X)の関係は30.0°C以下では直線関係が認められ,回帰式1/Y=-0.0736+0.0053X (r=0.985***)が得られた。発育零点は14.0°C,有効積算温度は193.9±23.0°Cであった。
3) 産卵前期間の平均値は4.5日,1雌当り総産卵数,産卵期間および生存期間は個体差が大きかった。
4) 産卵雌1個体当り産卵数は羽化後10日目頃まで日齢とともに増加し,その後は1日当り3個から6個の間で推移した。一方,供試した雌成虫全個体についての日別産卵数は,産卵雌の死亡に対応して,羽化後10日目頃以降減少した。
5) 発育零点,有効積算温度,産卵パターンの実験値から,香川県におけるイナズマヨコバイは年間4世代を経過すると推定した。

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