アオムシコマユバチの蔵卵数の自動計測を行うため,画像処理装置,汎用多関節ロボット,マイコン等によるシステムを開発し,以下に述べる方法で一枚のプレパラート上に散在する卵の計数を行った。すなわち,1)卵は青く染め,必要な領域のみを走査するため,黄色い境界線で囲み,各視野での計測フレームを確定するため,格子状に配列した赤い点(マーカー)を描いた透明フィルムに重ねてステージに載せる。2)卵,境界線,マーカーは色の差により弁別し,各フレーム内で卵を(卵同士の重なりも考慮して)計数・サイズ測定する。3)ロボットでステージを駆動することにより境界線内のすべてのフレームを走査し全卵数を求める。このシステムによる測定結果は肉眼による計数値とよく一致した安定した値を与え,再現性・精度ともに十分実用に耐えると思われた。