1988 年 32 巻 1 号 p. 37-42
ネダニ類(ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini CLAPARÈDE)とCaloglyphus sp.)のFusarium菌に対する選好性を調べ,つぎのことが明らかとなった。
1) 2種のネダニとも,程度はちがうもののラッキョウ腐敗病罹病切片に対して選好性を示した。
2) ネダニ類はFusarium oxysporum allii (F.o.a.と略す)とFusarium solani radicicola (F.s.r.と略す)をPSA培地で培養した切片に対して選好性を示した。2種の雌成虫ともF.o.a.に対する選好性の程度は強かったが,F.s.r.に対してはロビンネダニは選好性を示さなかった。若虫では,ロビンネダニは両菌培地に対して選好性を示したが,ゴミコナダニの一種ではF.o.a.に対して選好性を示したが,F.s.r.に対しては選好性を示さなかった。またロビンネダニのヒポプスはいずれの培地に対しても選好性を示さなかった。
3) ロビンネダニは両菌の培養ろ液に対して明らかな選好性を示した。また,培養ろ液を水蒸気蒸留して得た蒸留液,蒸留液をエーテルで抽出したエーテル層にも選好性を示した。