日本応用動物昆虫学会誌
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露地栽培ナスにおけるハナカメムシOrius sp.によるミナミキイロアザミウマの密度抑制効果
永井 一哉
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1990 年 34 巻 2 号 p. 109-114

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抄録
1987年6月から10月にかけて,露地栽培のナスでMPP 50%乳剤を散布してOrius sp.を除いた区(以下,除去区とする)と散布しない区(以下,天敵区とする)を設け,アザミウマ類とOrius sp.の密度変動を比較し,Orius sp.のミナミキイロアザミウマに対する密度抑制効果を検討した。
天敵区でのアザミウマ類の発生のピークは優占種がダイズアザミウマとダイズウスイロアザミウマの7月上∼下旬のピークと優占種がミナミキイロアザミウマの8月下旬∼9月中旬のピークがみられ,これらのアザミウマ類の2回のピークの発生時期に同調した2回の発生のピークがOrius sp.にもみられた。
天敵区は除去区に比較してミナミキイロアザミウマのピークの発生時期が約10日遅くなり,最盛時の密度は1/4であった。被害果の発生は天敵区では8月中旬から,除去区では7月下旬からみられ,9月上旬まで天敵区では除去区より被害果の発生が少なかった。
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