1991 年 35 巻 1 号 p. 1-6
昆虫の活動の記録装置としてのイベントレコーダはトラブルが多く,また定量的な記録には不向きである。われわれはこれにかわるものとして,パーソナルコンピュータによるデータ収集,処理システムを開発した。
16台のアクトグラフ(台数は容易に拡張可能)からの信号を,カウンタICによりカウントし,パラレルI/Oポートを介してパソコンに入力した。計数値はフロッピーディスクに収納し,同時にモニターテレビやプリンタ,X-Yプロッタにオン・ラインで出力し,アクトグラムを自動的に描画した。また別設のパソコンで保存用のアクトグラムの作成や種々のデータ解析が行えるようにした。本システムは長期間にわたり,連続的,自動的にデータ収集ができ,信頼性もきわめて高かった。また種々のデータ処理能力をそなえる点でも従来のイベントレコーダによる記録システムをはるかにしのぐ性能をもっていることが確認された。