日本応用動物昆虫学会誌
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ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinus (Astigmata: Pyroglyphidae)の過冷却点と耐寒性に関する研究
角田 隆森 樊須島田 公夫
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1992 年 36 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinus (TROUESSART)の耐寒性について調べた。雌成虫の過冷却点(SCP)の平均は摂食中で-22.7±1.25 (mean±S.D.)°Cだった。光学顕微鏡の冷却チャンバー内でSCP以下にダニを冷却したとき,体内に氷晶が形成されるのが観察された。氷晶形成後に再び室温に戻しても蘇生する個体はなかった。絶食によってSCPは低下したことから,消化管の内容物が氷晶核として作用していると考えられる。SCPより高い温度でも冷却期間を長くすると死亡率は高くなった。この場合の死亡要因は代謝系の異常か乾燥によると考えられる。
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