日本応用動物昆虫学会誌
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ミカンキイロアザミウマ選好色の反射光からみた特性
土屋 雅利増井 伸一久保山 信弘
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1995 年 39 巻 4 号 p. 313-319

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抄録
透明粘着シートを重ねた22色の色板の反射特性(400∼700nm)の測定と測色を行い,ウンシュウミカン園でミカンキイロアザミウマの成虫捕獲数を調査した結果,桃色,赤紫色,紫色,青紫色の誘引数が多かった。また,雌雄の誘引数が多い色は共通していた。選好色の分光曲線には,反射率が,(1) 400nmから440nmまでは増加して450nm付近で最も高くなり470nmから530nmまでは減少して550nm付近で低くなる特性と,(2) 560nmから600nmまでは増加して610nm付近で高くなる特性が含まれると考えられた。(2)の特性は単独では作用せず(1)の特性に対してプラスに作用すると考えられた。ウンシュウミカンの果皮の分光曲線には,着色前,着色後ともに選好色の特性は認められなかった。
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