サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita var. acrita)に対する感受性を異にする6種,8品種の植物の根への幼虫の行動を調べた結果,その好適宿主であるトマト,甘藷農林1号ならびにタバコに多くの幼虫が集まった。この現象は根の誘引作用によるものである。しかしながら,根からある程度離れた所では無方向性の運動をする。更に,幼虫は生長点附近に最も多く誘引されるがほかの部分にも誘引される。また,根部拡散物質にも誘引作用が認められることから,植物の根の線虫に対する誘引作用には根から分泌される,ある化学物質がある程度の役割を果たしているものと推定される。