本研究の目的は,精神障害者通所社会復帰施設の利用者へ提供した看護師の健康相談の内容と,利用者からみた評価を明らかにすることである.健康相談は,血圧・脈拍・体重・Body Mass Index・体脂肪率・内臓脂肪率の測定と,利用者の希望する内容を月1回11か月間提供した.利用者28人の健康相談内容を質的に分析し,そのうち同意の得られた8人に健康相談の評価をたずねるインタビューを行った.その結果,看護師は利用者の精神疾患の病状・副作用のコントロールのみならず,食生活や,運動などの肥満の解消方法といった生活習慣の改善を意図して働きかけており,利用者もこれらの相談内容を認識して肯定的に評価したことを示した.また肥満に該当した9人の体脂肪率が有意に滅少し,体重減少の有意傾向を認めたことから.看護師による健康相談は利用者の健康面の意識を高めたのみでなく,生活習慣の改善にも影響があった可能性を示唆した.