2010 年 13 巻 2 号 p. 58-66
本研究は,東北6 県の診療所院長とステーション所長の,①連携の現状,②ステーションに対する認識,③潜在的と思われる訪問看護サービスに関する利用意向および実施状況,を明らかにし,訪問看護利用者数の増加に向けたステーションの広報について検討することを目的とした.
その結果,①連携は「十分」「まあまあとれている」と答えた診療所とステーションが8 割を占め,双方の間に有意差はみられなかった.②診療所がステーションに24 時間体制や患者家族の情報提供を求めるのに対し,ステーションは患者が在宅療養を継続するために必要な機能を重要と考えていた.③潜在的と思われる訪問看護サービスで診療所が利用したいサービスを,ステーションは「すでに実施」「実施できる状況」にあった.以上から,訪問看護利用者増加には,医師がなにを求めているのかを把握し,連携を強化し,新たな訪問看護サービスの開拓や提供可能なサービスの掲示などの広報の必要性が示唆された.