日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
地域における認知症の啓発活動をになうボランティアの活動内容と活動意向
竹生 礼子工藤 禎子若山 好美
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2010 年 13 巻 2 号 p. 67-76

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抄録

地域における認知症の啓発活動をになうボランティアの活動内容と今後の意向を明らかにすることを目的とした.認知症に関する啓発普及を行うボランティア組織をもつ2 市町に登録されているボランティア21 人に,活動内容と意向について半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.

結果,ボランティアの活動内容として【自己啓発】【認知症の理解を広げる組織的な活動】【自分の仕事や所属組織と関連した活動】【地域住民として高齢者を支える活動】を行っていること,今後の活動について【自分なりにできることをしたい】【仲間と協力していきたい】【組織を発展させたい】【認知症についての理解を広げたい】【認知症の高齢者と家族を支えたい】【だれもが暮らしやすい地域にしたい】という意向であることが明らかになった.

地域における認知症の啓発活動をになうボランティアは自己啓発をしながら,認知症高齢者に関するボランティア活動と自分の仕事や所属組織の事業との関連性を生かして活動している.今後の活動意向には,できることをしたいという即時的支援と,だれもが暮らしやすい地域にしたいという長期的活動を想定している側面があることが見いだされた.

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© 2010 一般社団法人日本在宅ケア学会
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