本研究の目的は,支援や介護を受ける要介護高齢者が自分らしく生きるための力にしているものはなにかを明らかにすることである.デイケアサービスを利用している17 人に,半構造化面接を行い,その内容を逐語録にした.そのデータを質的分析手順に従って,コード化,カテゴリー化していき,要介護高齢者の生きる力を構成している要素を探った.その結果,「自分らしい健康管理の習得」「生きるための心の支え」「自立した生活への誇り」「生きてきたことへの自信」「家族とともに生きる喜び」「他者とのつながりのなかで見いだした自分の位置」という6 つのカテゴリーが出現し,それらから「身についてきた自己の力」と「他者との関係性から生じた力」という構成概念が生成した.以上のことから,高齢者は支援や介護が必要になっても自分に誇りや自信をもって,自己の力を身につけ,他者との関係性から生じた力が生きる力になっていることが明らかになった.