2011 年 15 巻 1 号 p. 62-69
本研究の目的は,訪問看護ステーションが行った在宅での看取りの実態を調査し,疾患別(がんと非がん)に死亡7 日前から死亡日までの訪問看護の提供状況を合計時間と合計回数から比較検討することであった.訪問看護ステーションの管理者と,臨終に立ち会った訪問看護師に対して,質問紙の郵送調査を行い,死因をがん患者と非がん患者に分類し比較分析した.在宅での看取りがあった訪問看護ステーションでは,1 か月間に平均1.6(± 1.2)人の看取りを行っていた.がん患者と非がん患者別に看取り事例を比較したところ,有意差が認められた項目は年齢,訪問看護利用期間,死亡日および死亡5 日前に受けていた訪問看護提供時間であった.がん患者と非がん患者では,在宅での看取り時に行われた訪問看護に差があり,さらに内容を精査する必要性が示唆された.