日本在宅ケア学会誌
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介護支援専門員による在宅褥瘡保有者へのアセスメント内容とサービス調整の実態
舟橋 千春水野 敏子
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2016 年 20 巻 1 号 p. 72-79

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抄録

介護支援専門員による在宅褥瘡保有者へのアセスメント内容とサービス調整の実態を明らかにする目的で,東京都内の600 居宅介護支援事業所の介護支援専門員を対象に郵送調査を実施し,136 人から有効回答を得た.調査内容は,褥瘡保有者の基本情報と褥瘡の状態,サービス利用状況,訪問看護導入の有無,介護支援専門員の基本情報である.分析方法は各項目の基本統計量を算出し,褥瘡の改善と各項目との関連についてはχ2 検定を行った.結果,介護支援専門員によるアセスメント内容は平均約9 項目と多く,体位変換や栄養状態,皮膚の清潔などの全身状態やケア内容が含まれていた.褥瘡保有者の訪問看護導入の割合は66.9%であり,褥瘡の改善に関連する要因として,「早期に訪問看護を導入」「主介護者が家族」「褥瘡発見時に体位変換間隔を確認」などであった.以上より,回答した介護支援専門員の多くが褥瘡発見時に適切な対応をしている実態が示された.

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© 2016 一般社団法人日本在宅ケア学会
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