2021 年 25 巻 1 号 p. 38-53
【目的】慢性閉塞性肺疾患療養者への専門職による遠隔モニタリング支援のヘルスアウトカムへの有効性を,システマティックレビューとメタアナリシスにより評価する.
【方法】系統的レビューを行った.適格基準は①ランダム化比較試験,②慢性閉塞性肺疾患を40%以上含む,③専門職が遠隔モニタリングを行う,④対照群は遠隔モニタリングを行わないとし,支援期間でサブグループ解析を行った.日本在宅ケア学会ガイドライン作成委員会活動として実施した.
【結果】26研究が採択された.割付けの他,バイアスリスクを認めた.支援内容は,看護師等による遠隔支援や患者教育であった.介入群は死亡者割合(p < .001),救急受診回数(p = .02),増悪による入院日数(p = .02),増悪入院者割合(p = .002)が有意に低下した.
【結論】慢性閉塞性肺疾患療養者への専門職による遠隔モニタリング支援はヘルスアウトカムへの有効性が示唆されたが,エビデンスの確信は限定的である.