本研究では,高齢者の新規要支援認定時の介護サービス利用について最も費用効果的な介護サービスの利用パターンを特定する.介護・医療保険請求データにより,2012年度に新規要支援認定を受けた65歳以上の高齢者1,567人を5年間追跡した.介護保険請求データより,新規要支援認定を受けた後1年以内の介護サービス利用パターンを「低利用型」,「介護予防通所介護型」,「介護予防訪問介護型」,「混合利用型」の4つに分類した.次に,医療保険請求データから障害調整生命年(DALYs)を推計し,費用効果分析を行った.「介護予防通所介護型」の5年経過後の平均DALYsは1.97年,5年間の介護保険支出総額に対する費用効果受入確率は774万円超で0.49以上であった.新規要支援認定時の介護予防通所介護型のサービス利用は,高齢者のDALYsを少ない費用で抑制できることが示された.