2025 年 28 巻 2 号 p. 109-117
〔目的〕長期在宅補助人工心臓治療(Destination therapy-Ventricular Assist Device:以下DT-VAD)を受ける患者と介護者への医療と介護の連携協働や支援体制の在り方について明らかにする.
〔方法〕九州・沖縄圏域で補助人工心臓治療の実施・管理施設と,補助人工心臓装着患者のケア経験を持つ訪問看護ステーションの医療従事者を対象とし無記名の自記式質問紙調査を実施した.記述統計と自由記述は質的帰納的に分析を行った.
〔結果〕35名の多職種から回答があり,自由記述よりDT-VADの在宅支援システムの構築に必要なこととして【医療と介護の連携と拡充】,【介護者不在を想定したサービスの検討】,【離島・僻地における支援体制】の課題等が挙げられた.
〔結論〕DT-VAD患者を支援するにあたり,在宅診療医師や訪問介護員,居宅介護支援事業所を含む連携と協働体制の充実が望まれる.