終末期がん患者の退院支援における退院調整看護師と病棟看護師との連携促進因子を明らかにすることを目的とし,退院調整看護師に自記式質問紙調査を実施した.
探索的因子分析の結果【がん患者の支援時の状況と患者・家族の思いを共有する】【がん患者の退院後の新たな生活を整えるために必要な情報を共有する】【がん患者の病の軌跡とその経過による周囲への影響を共有する】【がん患者・家族の入院前の暮らしを共有する】【がん患者の退院支援に必要なケアの組み立てや多職種との調整について役割を分担する】の5因子を得た.Cronbachのα係数は0.95であった.基準関連妥当性は退院支援看護師の個別支援における職務行動遂行能力評価尺度とPearsonの積率相関係数を算出し,因子全体r=0.52,各因子r=0.31~0.51であった(p<.001).本因子は連携促進因子として一定の信頼性,妥当性を有すと考えられた.