2025 年 29 巻 1 号 p. 97-104
[目的]コロナ禍3年間を振り返り,訪問看護管理者が体験した困難や対処を明らかにすることを目的とした.
[研究方法]訪問看護管理者6名を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.
[結果]訪問看護管理者の困難と対処は【看護師自身の体調管理の心がけ】【感染に関する知識習得・伝達の努力】【感染拡大防止のための多職種・他事業所連携の苦労】【訪問看護継続のための努力】【コロナ感染対策を融合した訪問看護方法の考案の苦労】【コロナ感染に対し不安や恐怖をもつ利用者への対応の苦労】【コロナ禍での負担を考慮した職員・業務管理に関する努力】【職員への精神的フォローの苦慮】の8カテゴリが明らかとなった.
[結論]訪問看護管理者は未知の感染症へ不安を抱きながらも知識習得や感染対策に努め,職員の精神的サポートを実施しながら困難な訪問看護継続を維持していた.ステーション同士での助け合いや地域関係者間での検討の必要性が示唆された.