本研究の目的は,デイサービス利用者のサービスに対する満足度の構成因子を明らかにすることと,その各構成因子が利用者の総合的満足度にどの程度の影響を与えているのかを明らかにすることである.研究方法は,個別面接法を用いた横断的調査法であり,対象は132名のデイサービス利用者である.分析方法では,サービス満足度の構成因子を明らかにするために因子分析を行い,因子分析で明らかになった各構成因子の総合的満足度に対する影響力を明らかにするために重回帰分析を用いた.その結果,サービス利用者の満足度は,「施設職員の態度」,「施設での快適さ」,「施設・施設職員との物理的・心理的距離感」,「施設利用料」の4因子で構成されていることが明らかとなった.また,「施設職員の態度」が利用者の総合的満足度に最も大きな影響を与えている要因であるとともに,「施設・施設職員との物理的・心理的距離感」や「施設での快適さ」についても影響要因として示された.また,基礎属性では,年齢,家族形態が総合的満足度に影響を与えていることが明らかとなった.
以上のことから,デイサービス利用者の総合的満足度を高めていくためには,施設職員の態度や施設職員との心理的距離感などについて十分な配慮がなされることが望まれる.