本研究の目的は,要援護在宅高齢者の排泄,入浴・清潔保持,食事行為が困難になる状態と,それらの行為での介助状況と関連する要因を,基本動作,認知,問題行動要因から明らかにするものである.調査設計は横断的調査である.アセスメント用紙を用い,ケアマネジャーが要援護在宅高齢者への聞き取り調査からデータ収集を行った.本研究では二次分析を行った.調査対象者は321名である.分析結果は,1)行為が困難な状態には,基本動作と認知の状態が,介助状況には,基本動作と問題行動の状態が強く関連していた.また,2)介助状況には,基本動作や認知,問題行動要因以外にも強く関連する要因の存在が示唆された.本結果から,介護支援専門員がアセスメントを行う際には,1)行為の困難さは基本動作とともに認知の状態も踏まえた視点からの理解が必要であること,2)介助が必要となる状況を理解するためには,問題行動や環境的な要因などにも配慮しなければならないこと,が示唆された.