在宅失語症者が日常生活で行っているコミュニケーション行動の特徴について明らかにするためにクラスター分析を行った.失語症友の会会員の介護者を対象にCADL-FQを使用した自記式調査票による郵送法調査を実施し,有効回答68通の分析結果は以下のとおりであった.
1.在宅失語症者は平均年齢65歳,失語症期間は約10年,原因疾患の9割は脳血管障害であり,約半数はADL自立していた.
2.在宅失語症者は「話す」「日常生活における言葉のやりとり」に比較して「聞く」得点率が高値であった.
3.「日常生活における言葉のやりとり」で実用性が高いとされた項目は「医療職者の指示に従う」「テレビの操作」であった.
4.「日常生活における言葉のやりとり」のクラスター分析の結果《日常生活で習慣化された行動に伴うコミュニケーション》,《拡大ADLに伴うコミュニケーション》,《ジェスチャーや表情による情報伝達が難しいコミュニケーション》の3クラスターが形成された.
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