日本在宅ケア学会誌
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在宅ケアにおいて必要な医療・衛生材料とその供給に関する医師・看護師のとらえ方:口腔・鼻腔内吸引に焦点をあてて
前田 修子滝内 隆子水島 ゆかり
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2005 年 9 巻 2 号 p. 93-99

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抄録

在宅医療に携わる医師および看護師を対象に,在宅で口腔・鼻腔内吸引を実施するうえでどのような医療・衛生材料が必要であるととらえ,それらのなかでなにを医療機関が在宅療養者に供給したほうがよいととらえているのか,また,両職種におけるそのとらえ方の相違の有無について比較することを目的に郵送による質問紙調査を行った.その結果,【必要な物品】ととらえていた者の割合は,口腔・鼻腔内吸引の実施に必要と判断した物品は7割以上,保管容器類は約6~7割,手洗い物品は約5~6割,使い捨て手袋を除く感染防護用具は約2~4割であり,両職種とも13物品すべて10割に満たなかった.【医療機関より供給したほうがよい物品】ととらえていた者の割合は,口腔・鼻腔内吸引の実施に必要と判断した物品は6割以上,保管容器類や感染防護用具は約3~5割,手洗い物品は約1割であった.看護師は,家庭内で代用できる可能性のある物品に関して【医療機関より供給したほうがよい物品】ととらえていた者の割合が医師よりも低かった.これらの結果より,感染管理が実践できる医療・衛生材料を確保するためには,まず医師・看護師に対する必要な医療・衛生材料の周知徹底ならびにその供給に関するシステムづくり等早急な対策の必要性が示唆された.

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© 2005 一般社団法人日本在宅ケア学会
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