日本健康相談活動学会誌
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Print ISSN : 1882-3807
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子どもの心の問題に気づくための養護教諭の着眼点指標の活用
竹内 佳美松下 真実子桐下 直子佐野 知子澤田 智英子鎌塚 優子
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2019 年 14 巻 1 号 p. 63-74

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抄録

 本研究は、養護教諭の視点及び着眼点指標の有効性を明らかにすることを目的とし、学校現場での活用を試みた。2016年6月の連続する2週間、小学校、中学校、高等学校の保健室に来室する児童生徒を対象とした来室者調査及び、心の問題不明確者について、2016年9月の1か月間の追跡調査を実施した。さらに、2017年の2~3月に調査協力校の養護教諭にインタビュー調査を実施した。

 その結果、調査対象者182名中145名の児童生徒に心の問題が発見され、視点及び着眼点指標は心の問題を捉えていたことが明らかとなった。発見された心の問題は、発達的要因、身体的・精神的要因、心理社会的要因によるものであり、発達段階の特徴が出ていた。また、【視点・判断の基準】【これまでの自身の視点の振り返り】【観察力の向上】【新たな視点の発見と定着】の4つのカテゴリーと16のサブカテゴリーが生成され、使用した養護教諭の心の問題への気づきの感性を高め、養護教諭のアセスメント力の向上や、心の問題の早期発見に貢献することから、学校現場での活用が有用であることが示唆された。

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© 2019 日本健康相談活動学会
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