2011 年 6 巻 1 号 p. 34-54
本研究では教諭が、心理的な問題があると判断するとき、その根拠として教諭がどのような視点を持ち、具体的に子どものどのような状態に着眼しているのか小学校、中学校、高等学校別に抽出すること及び先行研究である鎌塚ら19)が行った養護教諭との相違を検討することを目的とした。2007年2~6月にかけて、小学校、中学校、高等学校の教諭を対象とし、各学校種、2グループずつ計42名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを行った。
その結果、教諭が子どもに心理的な判断をするときの視点には9視点あることが明らかとなった。全学校種、共通にみられた視点は、『視点1:日常的に捉えている子ども達・一般的な子ども達の症状・状態・行動との表れの違い』『視点4:集団の中での周囲との関係性・反応に違和感』であった。『視点5:頻繁に起こっている、または続いている同じ症状・状態・行動』『視点6:普段及び以前との変化』であった。また、教諭は集団アセスメントの視点もあることが明らかとなった。教諭と養護教諭との視点の相違については、専門性の違い、役割、職種の特殊性が表れていた。教諭は子どもの日常生活や、集団生活の中での観察の着眼点があり、養護教諭は保健室という部屋の特殊性から捉えられる独自の視点があること及び子どもの心理的な問題を生理学的、臨床心理学的な点で着眼していることが明らかとなった。