日本健康相談活動学会誌
Online ISSN : 2436-1038
Print ISSN : 1882-3807
論文
高等学校における教員の行う保護者面接
―保護者の求める面接とは―
海老澤 恭子
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2014 年 9 巻 1 号 p. 19-30

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抄録

 本研究は、高校教員の行う保護者面接の実態を明らかにすることを目的とした。教員および保護者を対象に平成22年1月20日から2月20日に質問紙調査を行った。教員132人(56.2%)、保護者168人(31.4%)を分析対象とし、内容分析により文字テキストデータを数量化し、統計処理を行った。文字テキストデータの分類は、Houseのソーシャルサポートの定義を援用した。教員の行う保護者面接は、発信型(57.8%)が受信型(42.2%)より多く、情緒的サポートである「傾聴」を最も多く用いていた。情報的サポート、評価的サポートは年代が高くなるにつれ多くなった。保護者が面接で教員から受けたサポート技術は、情報的サポート(38.9%)が最も多かった。2要因の分散分析を行った結果、交互作用は有意であり、保護者の満足群は情報的サポートと道具的サポートを得られていた。これらから、教員の行う面接の特徴は、保護者との良好な関係を築きつつ、具体的な情報や評価を発信していることが明らかになった。なかでも、評価的サポートは、教員自身の経験則によって高校生の発達特性や親子関係に着目し実行されていた。保護者の視点からは、情報的サポートや道具的サポート等の具体的援助が教員に求められていることが示唆された。

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© 2014 日本健康相談活動学会
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