2008 年 1 巻 1 号 p. 55-60
平成17年の青森県の平均寿命は男女とも全国最下位であった.我が国の全死亡の死因統計において心血管病,脳血管障害は30%を占めており,平成17年4月には予防医学的見地から,日本のメタボリックシンドロームの診断基準が設定された.心血管病,脳血管障害は若年期から継続されてきた食習慣の結果であるところが大きい.短命県である青森県の若年者を対象に食習慣・運動調査アンケート調査,身長・体重・血圧・腹囲・血圧を測定した. 278名 (男性45名,女性233名) の青森大学生から得られた結果,12名の腹囲要注意群が認められた.腹囲要注意群と正常群の食生活を検討したところ,腹囲要注意群で収縮期血圧が有意に高かった.また腹囲要注意群では,野菜の摂取量が少なく,間食が多く,朝食欠食が有意に多かった.若年期からの食生活が健康寿命の延長に有用である可能性が示された.