2020 年 13 巻 2 号 p. 8-19
本研究の目的は、参加型アクションリサーチによる働きかけが、Bサークルと加入者にどのような変化をもたらすのかを検証し、参加型アクションリサーチがボランティア活動の活性化への有効な手法となるか検証することである。対象者は、Bサークルに加入する学生44名とボランティア先の担当者3名であった。約8ヶ月間働きかけを実施し、Bサークルと加入者の変化をアクションリサーチの視点から分析した。
本研究結果は、サークル加入者自身がより良い活動にしていこうと積極的に取り組む姿から、加入者自身の変化が検証され、活動の活性化がみられた。また、加入者自身の問題解決への意識が明確化し、加入者の意見が反映された働きかけを実践したことで、参加率の上昇と加入者数の増加という変化もみられた。このことから、参加型アクションリサーチの手法を用いた働きかけは、ボランティア活動の活性化に適した有効な手法であることが示唆された。