本研究は、認知症の人に対する態度尺度(金・黒田,2011)を用い、中山間地域で働く地域住民の認知症の人に対する態度とその関連要因を明らかにすることを目的に、岩手県内A地域の自治体および従業員100人以上の企業で働いている人を対象にアンケート調査を実施した。個人属性および個人特性、認知症の人に対する態度、認知症に関する知識等についてt検定および相関分析、重回帰分析を行った。認知症の人に対する態度および知識において女性の方が有意に高かった。また、学歴においては、認知症の人に対する態度および知識に差はなかった。年齢では40歳を分岐とし分析した結果、認知症の人に対する態度では、40歳以上が有意に高かった。しかし、知識においては年齢での差はなかった。認知症の人に対する態度に影響を与える要因として、「認知症の知識」と「コミュケーションの志向性」が明らかとなった。