2025 年 18 巻 1 号 p. 53-69
序論:若年女性の月経異常による受診率の低さや治療の中断が課題である。
目的:Transtheoretical model(TTM)用いた行動変容アプローチが、月経異常を持つ女子学生において有効か検証する。
方法:ランダム化比較試験(RCT)である。対象は18~19歳の新入生460名で、研究用LINEアプリ(LINE app)に登録した順に介入群または対照群に自動割り付けされる。介入群は月経異常の症状とTTMステージに応じた個別化メッセージを受け取り、対照群は一般的なデジタルリーフレットを受け取る。主要アウトカムはTTMステージの変化であり、Mann-Whitney U検定で群間比較を行う。
考察:本研究の特徴は、TTMの採用、介入効果の9か月後までの評価、RCTによる効果検証の3点である。一方、施設内での会話によるコンタミネーションや、アプリを用いることによる高い脱落率と選択バイアスが課題となる。