目的:幼児期の医療的ケア児を育てる母親の養育経験から得た強みを明らかにする。
方法:対象の母親12名に半構造化面接を行い、データを質的帰納的に分析した。
結果:母親の養育経験から得た強みとして、【日常の困難と変化に挑戦し自信を得る】【楽しみを見つけながら子どもを支え伝えていく】【地域の人やサービスのつながりの価値を見いだす】の3つのカテゴリが抽出された。
結論:母親は養育に伴う困難や不安を抱えながらも、日々の生活の中で試行錯誤を重ね、自分なりの養育方法を見いだし、それに対する自信を深めるなど、さまざまな強みを獲得していることが明らかとなった。また、医療的ケア児に関する情報や自身の経験を社会に発信しようとする意欲が芽生え、地域社会との共生という視点を育むといった強みの側面も確認された。今後は、母親の経験や獲得した強みを多職種間で共有し、それを踏まえた包括的かつ継続的な支援体制の構築が求められる。