日本ヒューマンケア科学会誌
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Print ISSN : 1882-6962
研究報告
ラオスにおける看護師の筋肉内注射技術の実態調査
山本 加奈子
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2011 年 4 巻 1 号 p. 52-59

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抄録

 ラオスの医療施設における看護職者が行う筋肉内注射技術の正確性,安全性を保障するため,筋肉内注射技術に関する看護学校での教授内容と医療施設での実践の実態を明らかにすることを目的とした.首都,南部,北部の看護学校における教授内容についての半構成的面接,教書の分析,北部の病院での実践についての半構成的面接,参加観察を行った.結果,基礎教育機関での教授内容は3校とも違っており,教書の内容にも不足があった.病院での実践は,神経損傷防止について看護師の知識にあったにも関わらず,実施されていなかった.また,患者への説明,言葉掛けなしに実施される場面が観察された.看護技術はその目的や実施後の評価,患者への配慮までを含んで教育していく必要がある.また,教育現場と臨床現場で違いがあり双方の技術教育を統一させる必要性が示唆された.

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© 2011 日本ヒューマンケア科学学会
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