日本家庭科教育学会誌
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小学校での生活時間の授業における児童の学び
中山 節子小野 恭子大竹 美登利
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 49 巻 3 号 p. 171-180

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抄録

生活時間調査データは,家族員の時間配分の相違から家族内人間関係やジェンダー関係を読み解くデータを提供してくれる有効な教育題材である。本研究の目的は,小学校において生活時間調査データが,性差や年齢差,社会的な差に気づき,生活の課題を把握する授業の教材として有効であるかどうかを明らかにすることである。小学校2校で生活時間調査を教材に,家族の生活時間を,教師が示した分類で集計する場合と,児童が作成した分類で集計する場合の2種類の方法で授業実践を行い,両校の児童の学びの違いを分析した。その結果,どの方法にしても,男女,年齢,平日休日での相違に気づいたという点で,生活時間のデータは,家族内人間関係やジェンダーの問題に児童が気づきやすい教材ということができよう。

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© 2006 日本家庭科教育学会
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