目 的
島根県における助産師教育の歴史を辿り,その変遷を明らかにしながら,産科医不在・不足問題の渦中にある助産師の取り組むべき課題を見出す。
対象者と方法
島根県の助産師教育に関係した機関や関係者に聞き取り調査を行うと共に,資料や文献から経時的にまとめた。
結 果
島根県の助産師教育は,明治24年「私立松江産婆養成所」として開校し,時代の流れのなかで何度も名称を変えながら昭和28年まで続いた。新制度により一時,中断したが,昭和57年,助産師らの要請を受け再び助産師教育が開始され,現在に至っているが,施設内外における助産師数の充足には至っていない。
結 論
時代が大きく様変わりする中で,お産・助産師教育,そして助産師のおかれている状況も変化する。今,産科医不足の中で,妊産婦が安心して子どもを産み育てられるために,また需要に応えるためにも助産師は,力量の形成と共に数の確保は必須であり,そのための職能団体・国の支援は重要である。