日本助産学会誌
Online ISSN : 1882-4307
Print ISSN : 0917-6357
ISSN-L : 0917-6357
資料
助産師学生の妊娠期の知識·技術習得のための学習の進め方
—講義·演習後の記載より—
藤田 小矢香狩野 鈴子濵村 美和子嘉藤 恵
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 29 巻 1 号 p. 69-76

詳細
抄録
目 的
 妊娠期の知識習得のために,助産師学生が講義·演習を通してどのように自己学習を進めていたのかを明らかにする。
対象と方法
 対象者はA大学短期大学部専攻科助産学専攻学生18名で,平均年齢は22.33歳であった。研究倫理審査委員会の承認を経て,2013年7月に実施した。データ収集方法は,学生が妊娠期講義修了後に提出した,妊娠期の学習を講義·演習を通してどのように進めたかの記述を逐語録にしたデータを抽出した。
結 果
 助産師学生の妊娠期の学習として‹確実に知識を自分のものにする学習›では«積極的な姿勢で予習·復習に取り組み学習への価値を見いだす»,«基本的な情報の必要性に気がつく»,«復習により知識の定着を図る»の3つのカテゴリーが抽出された。‹妊婦健診に必要な知識·技術を身につける学習›では«妊婦自身を理解しようと努力し,必要な計測技術の知識を習得する»,«実際の妊婦健診を想定した,実用的で実践的な技術を身につける»の2つのカテゴリーが抽出された。
結 論
 助産師学生は,自分を客観的にみて学習方法の方策を考えていた。助産師になるという目標に向かって,主体的に予習·復習に取り組んでいた。また,技術習得においては,繰り返し練習を行い自信がついた次のステップとして,実際の場面を想定した練習を行っていた。さらにグループでの学習が自己評価や他己評価の動機付けになっていたと考える。
著者関連情報
© 2015 日本助産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top