日本助産学会誌
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新型コロナウィルスPCR検査を受けた妊婦のPCRスクリーニング検査を受けたことで抱いた思いや気持ち
風間 仁美安達 久美子
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論文ID: JJAM-2021-0003

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抄録

目 的

本研究は,新型コロナウィルスPCRスクリーニング検査を受けた妊婦がこの検査を受けたことで抱いた思いや気持ちを明らかにすることを目的とした。

対象と方法

研究対象者は,PCRスクリーニング検査を受けた妊婦のうち,結果が陰性だった120名とした。データはWEBフォームまたは質問紙への直接記入により回収した。調査内容は,PCRスクリーニング検査を受けると知った時の気持ち,検査の説明を聞いた時の思い,検査説明を聞く前後での検査に対する気持ちの変化,検査を受けるまでの気持ち,検査を受けてから結果が出るまでの気持ち,結果が出た後の気持ち,検査結果が陽性だった場合に分娩方法が変更になることに対する気持ち,PCRスクリーニング検査の実施が分娩施設選択の要因になるか否かについてである。選択肢での回答は集計し,自由記載内容は,記載されたそれぞれの文章の中から,類似した言葉を抽出し,言葉毎の記載人数をカウントした。

結 果

質問紙の配布数は120,有効回答数は92であった。対象者92名の年齢は,10代が1名,20代が21名,30代が63名,40代以上が7名であった。初産婦49名,経産婦43名であった。

妊婦は,PCRスクリーニング検査を受けるまでの期間,「不安」「緊張」といったネガティブな感情を持っていた。そして,PCRの検査結果がでるまでの間,妊婦は陽性でないことを願う気持ちを抱えていた。結果が出た後は,「安心した」「ほっとした」というように安堵していた。加えて,更なる感染予防へ注意を払うことを感じていた。

結 論

多くの妊婦はPCR検査を希望し,説明に対しても納得しており,PCR検査を肯定的に受け止めていることがわかった。その一方で,検査結果が判明するまでの期間は心理的に落ち着かない状況にあり,結果が判明することによって安堵感を得ていた。

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