日本助産学会誌
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妊娠期女性における下肢筋肉量への影響要因
安達 望江和泉 美枝眞鍋 えみ子
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論文ID: JJAM-2021-0033

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抄録

目 的

妊娠期における身体活動,体重増加量および非妊時BMIと下肢筋肉量との関連,下肢筋肉量への影響要因を検討する。

対象と方法

妊婦520名に自記式質問紙による調査と体組成分析装置(InBody270)を用いて体重,下肢筋肉量を測定した。質問紙による調査内容は属性,非妊時体重,身長,身体活動は運動習慣の有無と生活活動量(NEAT質問票)であった。初経産婦別にt検定を行い,下肢筋肉量の影響要因の検討には重回帰分析を行った。

結 果

分析対象者は484名(18~44歳,初産婦229名,経産婦255名,妊娠5~40週)であり,本対象者の下肢筋肉量の平均は11.53±1.68kgであった。下肢筋肉量は,初経産婦共に生活活動量低群(初産婦10.97±1.70kg,経産婦11.24±1.63kg)より高群(11.76±1.49kg,12.41±1.72kg)の方が有意に多く,非妊時BMIにおいても低群(10.71±1.60kg,11.46±1.85kg)より高群(11.98±1.60kg,12.17±1.56kg)の方が有意に多かった。初産婦では,非妊時BMI,体重増加量,妊娠前の運動習慣が下肢筋肉量に影響し(β=.339, .227, .136),説明率18.8%であった。経産婦では,体重増加量,非妊時BMI,生活活動量が下肢筋肉量に影響し(β=.258, .245, .169),説明率15.6%であった。非妊時標準体格の妊婦では,妊娠16~27週,28~37週において体重増加量4.9kg,8.5kg以上がそれ未満に比べて下肢筋肉量は多かった。

結 論

妊婦の下肢筋肉量には,非妊時BMIや体重増加量が影響し,さらに初産婦では妊娠前の運動習慣,経産婦では生活活動量が影響することが示された。

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