日本助産学会誌
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母性看護領域の熟練看護者が実践する「安楽」なケア
桃井 雅子下木 ゆかり川上 桂子龍 聖子佐居 由美
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論文ID: JJAM-2024-0018

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抄録

目 的

本研究の目的は,母性看護領域において熟練看護者(助産師および看護師)が「安楽」なケアと考える実践内容を明らかにすることである。

対象と方法

母性看護領域のなかでも周産期看護において臨床経験を6~7年以上有する,7名の熟練看護者(看護師2名,助産師5名)を対象に半構成的面接を実施し,質的記述的にデータを分析した。

結 果

熟練看護者が「安楽」なケアと考える実践内容の特徴は【周産期を通して専門職者として傍に居ることで「心身の苦痛軽減を図る」】【周産期を通してセルフケアの「意思決定を支援する」】【人間の自然性・日常性を尊重し「環境を整える」】の3コアカテゴリで構成されていた。

結 論

熟練看護者は,専門的な知と技そして姿勢・態度を具え周産期を通して女性と家族の傍に居り,先を見据えながら心身の苦痛の軽減を図る等,周産期において継続的に「安楽」なケアと考える看護実践を創出する様相が示唆された。また,女性と子ども,家族の有する“人間の自然性”と,“個別性”のある日常生活を尊重することで,本来持てる力すなわちセルフケア力や意思決定する力が発揮されるように支援し,ひいては心身の安楽に至ることを意図した熟練ならではの卓越したケアであることが示唆された。

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