日本助産学会誌
Online ISSN : 1882-4307
Print ISSN : 0917-6357
ISSN-L : 0917-6357

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

Neonatal Infant Pain Scale 日本語版の信頼性と妥当性の検証
松原 愛海小澤 未緒山田 桃子米澤 かおり春名 めぐみ
著者情報
キーワード: 新生児, 痛み, NICU, 尺度, NIPS
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: JJAM-2024-0043

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

目 的

Neonatal Infant Pain Scale(NIPS)の日本語版の信頼性と妥当性を検証する。

対象と方法

翻訳と逆翻訳を経て日本語版を作成した後,医療用粘着剤剥離中の新生児・乳児の様子を調査者がNIPSで評価した。また,医療用粘着剤剥離の様子を撮影したビデオを調査者とは異なる観察者が見て,医療用粘着剤剥離前中後の3時点の新生児・乳児の様子をNIPSで評価した。構成概念妥当性の評価のために,3時点のNIPSの総得点をFriedman検定で比較した。評価者間信頼性については,医療用粘着剤剥離中の調査者とビデオ観察者のNIPSの総得点の級内相関係数を算出し検討した。また,3時点のNIPSのCronbach's alphaと項目間相関,修正済み項目合計相関を算出して内的整合性を確認した。

結 果

3時点のNIPSの総得点には明らかな差があり(χ2=48.04,df=2,p<.001),医療用粘着剤剥離時の総得点が高く,構成概念妥当性が確認された。調査者とビデオ観察者の級内相関係数はr=0.72(p<.001)で評価者間信頼性を確認した。医療用粘着剤剥離前,剥離中,剥離後のNIPSのCronbach's alphaはそれぞれ0.95,0.86,0.94で内的整合性を確認した。項目間相関の相関係数の範囲は剥離前が0.60–1.00,剥離中が0.39–0.79,剥離後が0.65–0.94であった。修正済み項目合計相関は剥離前が0.71–0.92,剥離中が0.61–0.80,剥離後が0.72–0.88であった。

結 論

日本国内のNICUでよく使用されているNIPS日本語版の信頼性と妥当性を確認することができた。今後NICUでの使用に加えて,産科の新生児室を含め,新生児に関わる多くの場面で広く使用されることが期待できる。

著者関連情報
© 2025 日本助産学会
feedback
Top